■検査キットの仕入れ費用2.5倍水増し 補助金約23億円だまし取った罪

補助金およそ23億円をだまし取った罪に問われている元市議の男の初公判が始まり、起訴内容を認めましたが、補助金の申請について「全て検査場の運営会社がやった」と語りました。
公判前に男は関西テレビの取材に応じ、動機について語っています。

岐阜県瑞穂市の元市議で医薬品卸売会社の社長だった松野貴志被告(49)はおととし、大阪府の新型コロナの無料検査事業で、無料検査場を運営していた会社の当時の会長・中垣裕資被告(37)らと共謀。検査キットの仕入れ費用を最大2.5倍水増し、補助金およそ23億円をだまし取った詐欺の罪に問われています。

松野被告は公判前、取材に応じ、中垣被告の会社にすでに引き渡していた検査キットの販売代金が支払ってもらえない中、犯行を持ちかけられたと説明しました。

■「費用の水増しを断れば、支払いがないまま(運営会社の会長が)飛んでしまう」

【松野貴志被告(49)】「(販売代金が)4400万円です。いつ支払ってもらえるか分からない。これで(費用の水増しを)断って帰ってしまうとただ支払いがないまま飛んでしまうなと」

■「補助金申請は全て検査場の運営会社がやった」

5月31日の初公判で松野被告は「起訴内容(公訴事実)について争いません。だましてしまったことは間違いありません」と起訴内容を認めたうえで、「ただ、補助金申請は全て検査場の運営会社がやったことです」と話しました。

■「運営会社と水増の発覚を免れるため口裏合わせ」と検察側

一方、検察側は冒頭陳述で「(検査場運営会社の会長だった)中垣被告らから(検査キットの)単価の水増しを依頼され、それに応じ、松野被告は水増し分のうち220万円を取り分としていた。大阪府から補助金の申請について不審に思われた際に、大阪のカフェで検査場運営会社の役員らと会い、単価水増しの発覚を免れるための口裏合わせをしていた」と指摘しました。

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