新型コロナウイルスのワクチン接種準備が整った注射器=手塚耕一郎撮影

 厚生労働省は16日、新型コロナウイルスワクチンの廃棄量が約2億4415万回分に上ると明らかにした。購入金額に換算すると約6653億円。厚労省の担当者は「その時々の状況によって必要なワクチンを購入したので、無駄とは考えていない」と説明している。

 厚労省によると、これまでのワクチンの契約量は約9億2840万回分。3月末までの接種数は4億3619万回で、海外への供与分などを除いた約2億4415万回分が廃棄されるという。単価は契約上公表されていないが、予算額を契約数で割った2725円として概算を出した。

 武見敬三厚労相は15日の衆院決算行政監視委員会で「世界的なワクチンの獲得競争が生じる中で、接種を希望する全ての国民にワクチンをお届けできるように、当初から海外製のワクチン購入に奔走した」と振り返る一方、国内ではメッセンジャー(m)RNAタイプのワクチンの研究基盤がなく、「金をかけても作れなかったという、もっと悲惨な状態にあった」と指摘。「今回の最も大きな教訓だった」と総括した。

 新型コロナワクチンは、3月末に国費での無料接種が終了した。【神足俊輔】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。