「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」などのヒット作で知られる漫画家の鳥山明さん(3月1日、68歳で死去)の作品を展示する“鳥山明博物館”の建設を望む声がファンの間で広がっている。鳥山さんの出身地である愛知県の大村秀章知事が「全く同感」と呼応するなど盛り上がりを見せている。
同博物館を巡っては、鳥山さんの元アシスタントでイラストレーターのまつやまたかしさん(66)が、毎日新聞の取材に「僕はファンとして鳥山明博物館が(日本に)絶対にほしいと思っていた。世界中のファンもそう思っている」と語った。
この発言を受け、ネットニュースのコメント欄には、ファンたちから「(鳥山さんの漫画作品の出版元の)集英社と愛知県が共同出資して博物館建てたらいいのに。クラウドファンディングしたら世界中から金が集まると思う」「そこに行けばキャラのみんなに会える、わずかな時間でも童心に戻れる場所を欲してしまう」「まずペンギン村とドラゴンボールでエリアを分けてみる。想像するだけでめっちゃ行ってみたいんだけど」などの投稿が相次いだ。
こうした声に対し、愛知県の担当課である文化芸術課は「ファンの方の望む気持ちは分かりますが、そのような計画はありません」としている。ただ、大村知事は3日の定例記者会見で「個人的には愛知県民として全く同感。ぜひそうしたものがあってほしい」と発言。「著作権上、簡単ではない」としながらも「具体的に誰もそうした話をしていないが、仮に話が動くならば期待したい」と語った。
鳥山さんの出身地、愛知県清須市の担当者は「博物館を作る場合は候補地として(清須市を)入れてほしい、と集英社に伝えたことはある」と明かす一方、「集英社や(鳥山さんの)遺族ら関係者の意向が最優先であることが前提だ」と話す。
行政主導による著名な漫画家や作品を紹介する記念館の建設を巡っては、ゲゲゲの鬼太郎の作者・故水木しげるさんの「水木しげる記念館」(鳥取県境港市)や名探偵コナンの作者・青山剛昌さんの「青山剛昌ふるさと館」(同県北栄町)、兵庫県宝塚市の「市立手塚治虫記念館」などがある。【川瀬慎一朗】
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