奈良県の山下真知事は5日、新型コロナウイルス関連の業務委託費で過払いがあり、委託先のJTB奈良支店が返金に応じないとして、JTBに約6300万円の損害賠償を求めて近く奈良地裁に提訴すると明らかにした。

奈良県庁で記者会見する山下真知事(5日)=共同

過払い金は、最大で計2億1300万円に上る可能性がある。提訴議案を6月県議会に提出する。奈良支店側は過払いを否定している。

山下氏は定例記者会見で、奈良支店側が見積もりの時点の額に基づき過大請求をしたのが原因との認識を示した上で「任意の返還に応じなかったことに憤りを感じる」と述べた。

JTBは取材に「契約内容から想定されない返金要請で、一方的な訴訟提起に驚いている」とコメントした。県によると、奈良支店側は「見積時の金額が支払われる契約だった」とし、過大請求ではないと主張している。

県によると、過払いがあったのはコロナの感染防止対策をした飲食店の認証業務。委託費の精算時に提出された実績報告書に疑義があったが、奈良支店は社員の勤務実態を確認できる書類の提出に応じなかったという。

コロナ関連の業務委託では、大阪府や静岡県の自治体からワクチン接種のコールセンター業務の委託費をだまし取ったとして、近畿日本ツーリストの社員が詐欺罪で有罪判決を受けた。〔共同〕

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