文部科学省は5日、2025年度入学生を対象にした大学入試の実施要項を発表した。推薦要件や合否判定の材料として出欠状況を活用する際、生理(月経)に伴う体調不良による欠席を把握した場合には志願者の不利益にならないよう配慮することを盛り込んだ。月経について実施要項で明記されたのは初めて。
実施要項では、志願者が不利益を被ることがないよう配慮することとして「志願者本人に帰責されない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席日数」と記載。病気・事故、新型コロナウイルス感染症の後遺症のほか「月経随伴症状」を例示した。
これまで健康状況については原則として入学者選抜の判定資料にしないとしていたが、文科省は「近年、女性と入試の問題は非常に関心が高まっている。改めて位置付けを明確に伝えることで不安の解消に努める必要があると考えた」としている。
大学入学共通テスト(来年1月18、19日)の追試験は、新型コロナの5類移行に伴い、本試験との間隔を従来の1週間に戻し、同25、26日とした。
大学入試を巡っては今年2月にあった早稲田大(東京都新宿区)の一般入試で、受験生の男性が試験問題を眼鏡型の電子端末「スマートグラス」で撮影し、SNS(ネット交流サービス)を通じて外部に流出させたことが発覚。今回の要項には不正行為に関する変更や改定はなく、文科省は「引き続き捜査の状況を見ながら事実確認を進めていきたい」とした。【井川加菜美】
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