万博への無料招待事業の中止を申し入れた大阪教職員組合の関係者ら=大阪府庁で2024年6月5日午後2時1分、東久保逸夫撮影

 2025年大阪・関西万博に子どもを無料招待する大阪府の事業について、大阪教職員組合などは5日、府と府教育委員会に対し、事業の中止を申し入れた。万博の工事現場で可燃性のメタンガスが爆発した事故にも言及し「子どもの安全やいのちが保障されているとは思えない」などと批判した。

 教職員組合などの申し入れ書によると、学校の校外学習は安全に行われるのが大前提で、交通手段、見学ルート、避難ルートなどを確認し、計画を作る必要があると主張。一方、会場となる夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)は、交通体制が貧弱で、避難計画も作成されておらず、爆発事故についても「事故があったことさえ、学校現場に周知されていない」などと訴えた。

 申し入れは教育現場への情報提供などを求めた4月に続いて2回目だが、無料招待事業の中止を求めるのは初めて。

 府教委による意向調査では、対象となった府内の小中高校など約1900校のうち、参加を希望したのは約1390校、「未定・検討中」としたのは約350校、未回答は約160校だった。

 5日に記者会見した教職員組合の米山幸治書記長は「積極的に行こうという学校があるか疑問だ」と述べた。調査のやり方についても「意向調査の段階で出さないと、日程の希望やバスの割り当てなどがないかもしれないと書かれていた。非常に威圧的だ」と批判した。【東久保逸夫】

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