2023年と2024年、鹿児島県警の内部資料の一部を第三者に漏らした疑いで、現職の警察官が逮捕されました。
この事件をめぐっては、一部のウェブメディアに100件以上の捜査資料が流出した問題との関連も調べられています。
今回、このウェブメディアに名前を掲載された鹿児島県内の現職市長が、撮影を行わないことを条件に鹿児島テレビの取材に応じました。
今回、取材に応じてくれた現職市長がウェブメディアで確認した、流出したとされる県警の資料を、取材に基づいて再現しました。資料には市長の名前、生年月日などの個人情報や、選挙をめぐって警察に話を聞かれた時の内容や日付が細かく記されています。
市長は県警の情報漏えいについて、最初、秘書や支援者から知らされた時の心境についてこう話しました。
「警察の内部文書が出たということにまずは驚いた」
県警の情報流出がテレビや新聞で報じられた後、3月、市長のもとに県警の幹部2人が訪れ、「情報が漏れてしまい、大変申し訳ありませんでした」と謝罪したということです。
面会は30分ほど行われ、市長が再三、事件の説明を求めたものの、詳しい内容は伝えられませんでした。その後も4月15日まで、警察からの連絡はないということです。
この事件をめぐっては4月8日、地方公務員法違反の疑いで現職の警察官・藤井光樹容疑者が逮捕・送検されています。
警察によりますと藤井容疑者は、県警本部の公安課に勤務していた2023年6月、自身のスマートフォンを使い個人の犯罪経歴の情報を第三者に送った疑いがもたれています。
また2024年3月には容疑者や被害者の実名、捜査状況などが書かれた捜査資料数十枚を、同じ第三者に郵送した疑いがもたれています。
今のところ、藤井容疑者と第三者との金銭のやりとりは確認できていないということです。
藤井容疑者が今回、鹿児島テレビが話を聞いた現職市長に関する資料の情報漏えいに関与していたかどうかは明らかになっていませんが、市長は、県警の個人情報の取り扱いに不審感を抱いています。
「個人情報に関しては我々でも漏えいしないよう厳しく管理している。今回の件は『モラルが欠けている』という話だけではない。警察への信頼が失墜してしまった」
市長は、県警が説明責任を果たしていないと厳しく指摘します。
「そもそも警察内から情報が漏えいしたので、警察が責任を持って全てを明らかにすべきだ」
県警の情報流出をめぐっては、ウェブメディアで100件以上の県警の捜査資料や300人以上の個人情報が流出したおそれが指摘されていて、県警は藤井容疑者との関連について調べています。
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