「つばさの党」の幹部3人による公職選挙法違反事件で、警視庁は他の候補者の選挙カーを20分間にわたり追い回し、選挙活動を妨害した疑いで3人を7日にも再逮捕する方針を固めたことがわかった。
「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)と幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人が4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、立憲民主党から立候補した酒井菜摘氏の選挙カーを約20分間・3kmにわたり執拗に追い回した疑いが強まったとして警視庁は7日にも再逮捕する方針を固めた。
「つばさの党」の3人はこうした行為を「カーチェイス」と呼びSNSでライブ配信を行っていたが、追いかけられた酒井氏の陣営はこの行為により選挙カーによる運動を中断し、110番通報して警察署に避難したという。
警視庁は「つばさの党」による配信動画や選挙カーのドライブレコーダーなどの映像を確認したほか、6月5日には、現場となった道路を一時規制して家宅捜索で押収した「つばさの党」の選挙カーを使って実況見分を行い証拠を積み上げてきた。
候補者の車両を追いかける行為が公選法の「交通の便を妨げる行為」にあたるとして逮捕に踏み切るのは全国初とみられる。
黒川容疑者らは5月、別の候補者が演説しているそばで電話ボックスに上って大音量で演説するなどして他の候補者の演説を妨害した公選法の自由妨害の疑いで逮捕されている。
今回の再逮捕容疑にも酒井氏の演説会場に乗り込み、大音量で呼びかけるなどして演説を妨害するなどした行為も含まれる。
これまで、確認されている妨害行為は少なくとも5回の演説妨害に加え、選挙カーを追いかけ回す交通妨害は10回以上にのぼることがわかっていて、警視庁はさらなる余罪についても調べる方針だ。
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