硬球を手に、始球式向けて張り切る「ぬっきーマン」=北九州市小倉南区で2024年6月4日午後0時24分、宮本勝行撮影
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 国内有数のカルスト台地・平尾台(北九州市小倉南区など)にある貫山(ぬきさん)の妖精とされる、ゆるキャラ「ぬっきーマン」が、8日に北九州市民球場(小倉北区)であるプロ野球独立リーグの試合で始球式を務める。1974年に誕生した小倉南区の区制施行50周年を記念する冠試合に、日ごろの活動が認められ抜てきされた。ぬっきーマンは「妖生(人生)で一度きりのこと」と喜んでいる。

 ぬっきーマンは、貫山のキャラクターとして市立貫小(小倉南区)の児童が考え、関係者が2015年に着ぐるみを作った。標高712メートルの貫山をかたどり、色は鮮やかな緑。山にたなびく白雲を耳に見立てている。

 16年にデビューしたものの一時活動を休止。着ぐるみを軽量化して、中から外を見えやすくするなど改良を加え、20年の北九州マラソンを沿道で個人的に応援したのを機に活動を再開した。

 21年5月、平尾台の清掃イベントに参加したのをきっかけに知名度が高まった。各種イベントに招かれるようになり、この2年は元日、貫山山頂で初日の出を見に訪れた人たちと歓談するなど活動の幅を広げている。

 自称年齢は、約1億年前に誕生したとされる貫山と同じ1億歳。山へのあふれる思いを表現するために「貫山愛」と書かれたうちわや旗を手に活動する。ぬっきーマンのテーマソングも21年につくられた。

 「登山者同士の会話や、山に行くきっかけになるように」と、イベントの際は自らをあしらった缶バッジを自費で作って配る。棚田米をイメージして背中に担ぐ稲穂からつるしているお守りを分け与えることも。見かけると走り寄って来る子供もいて、「やっていて良かった」とうれしくなるという。

 始球式に向けて5月に投球練習した際、居合わせた野球少年から「投げるときには肘を90度曲げる」と指導を受けた。投げやすいように手の部分の改良も検討しているといい、「全身全霊で全力投球します」と本番を前に張り切っている。

 8日の試合は、北九州下関フェニックスと宮崎サンシャインズの対戦で、小倉南区在住・在勤・在学者は無料で観戦できる。試合は午後2時開始予定。

 ゆるキャラによるプロ野球の始球式は、北海道旭川市のシンボルキャラクター「あさっぴー」や、同北斗市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」などの例がある。【宮本勝行】

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