衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体「つばさの党」の選挙妨害事件で、警視庁捜査2課は7日、代表の黒川敦彦容疑者（45）ら3人を公職選挙法違反（選挙の自由妨害）容疑で再逮捕した。他陣営の選挙カーを追いかけ回し交通の便を妨げた疑いがある。捜査関係者によると、交通妨害疑いでの立件は極めて異例という。
再逮捕したのは黒川容疑者のほか、同補選元候補の根本良輔容疑者（29）と党幹部の杉田勇人容疑者（39）。
3人の再逮捕容疑は補選期間中の4月17日、候補者を擁立していた立憲民主党陣営の選挙カーを東京都江東区内で約20分間にわたって追いかけ回し交通の便を妨げた疑い。
黒川、根本両容疑者はこのほか同月23日、同区の東京メトロ東陽町駅付近の路上でおこなわれていた同党候補者の演説に押しかけ、拡声器を使って大声を出すなどして中止させた疑いがある。
つばさの党陣営に追いかけ回された立民陣営は、選挙カーでの活動中断や近くの警察署への避難を余儀なくされた。
公選法は選挙の演説を妨害したり交通の便を妨げたりする行為を「選挙の自由妨害罪」として禁じている。違反した場合は4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金を科す。
同課は5月17日、補選告示日の4月16日に無所属の乙武洋匡氏陣営の演説を妨害したとして、同法違反容疑で黒川容疑者ら3人を逮捕していた。
つばさの党を巡っては複数の陣営から被害届が出されている。捜査関係者によると、これまでの捜査で大音量で怒号するなど演説妨害とみられる行為が少なくとも5回以上、他陣営の選挙カーを追い回す行為が10回以上確認された。
同課は18年ぶりとなる特別捜査本部を設置し、全容解明を進めている。動画撮影や選挙カーの運転手を担ったつばさの党陣営の複数のスタッフについても役割や関与の度合いを調べている。
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