東京大は10日、20年間据え置いてきた授業料について「改定を検討している」とする藤井輝夫学長のコメントを同大のホームページで公表した。値上げする場合は経済的困難を抱える学生への配慮が不可欠だとし、「授業料免除の拡充や奨学金の充実などの支援策も併せて実施しなければならない」と説明した。
コメントでは、国からの運営費交付金や授業料収入などの限られた財源を活用し、教育研究環境の充実や設備老朽化、物価や人件費の増大などに対応しなくてはならないと強調。費用を安定的に確保するため、様々な施策に取り組むなかで、授業料の改定も検討しているとした。
授業料免除といった支援策は具体的な仕組みを検討中だという。今後については、6月内に予定している学生との「総長対話」などを通して様々な意見を聴き、「大学の将来のために、今何を具体的にすべきかを慎重に見極めていく」とした。学生らに検討案を示すともした。
文部科学省の省令は国立大の授業料の標準額を年53万5800円とし、最大で20%まで引き上げられると定めている。関係者によると、東大は最大で年10万円増の64万2960円とすることも視野に入れている。学生や教員の間から反対の声も上がっている。
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