千葉県内で農作物を食い荒らすなどの被害が深刻化している特定外来生物「キョン」について、茨城県が新たな対策を打ち出した。

それが、県内でのキョンの目撃情報に対して報奨金2000円を支払うというもの。目撃情報に報奨金を出すのは全国で初めて。

情報提供には、2024年4月以降、県内で撮影されたことが分かる写真や動画が必要。

近隣住民は「たまたま見つけて、2000円はいい。正直うれしい」「(キョンの撮影は)無理でしょ。じっとしてるわけじゃないから」などと話した。

特定外来生物「キョン」は、もともとは中国などに生息していたが、千葉県で20年ほど前に閉園した施設から逃げ出したものが野生化し、大繁殖。野菜や果物などに被害が出ている。

千葉県によると、キョンは中南部の17の市と町に定着。2023年は、北部の成田市や銚子市でも目撃された。

生息域が北へ北へと広がる中、危機感を募らせているのが隣接する茨城県。

茨城県環境政策課・飯村勝輝課長補佐は「県民一丸となってキョンの定着を阻止したい」と話す。

茨城県では、2017年に初めてキョンの生息が確認されて以降、これまでに4頭が確認され、警戒を強めている。

そこで現在の生息状況を把握するため、5月30日から目撃情報に対する報奨金を設定。
4月以降、県内でキョンの写真や動画などを撮影した情報提供者に2000円が支払われる。

条件はキョンの全身をアップで撮影すること。
また、県内の場所を特定できる周辺の背景込みでも撮影することなど。

石岡市では2022年、地元猟友会がイノシシの状況を調べるために設置していたカメラにキョンが映り込んでいた。

その石岡市でつい最近、キョンを目撃したという農家の男性に話を聞くことができた。

キョンを目撃した人は「(Q.どうやって越えた?)ブーンと跳ねた。(Q.高さは?)最初なんだろうと思った。初めて見たから」と話し、一瞬のことでキョンの撮影はできなかったという。

茨城県によると、現時点で支払い対象となる目撃情報は寄せられていないという。

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