国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕された前鹿児島県警生活安全部長の本田尚志容疑者(60)は10日、前県警刑事部長が枕崎署員による盗撮事件の隠蔽を指示したとする文書をライターに送ったと認めた上で「個人的な恨みはない。陥れる意図もない。申し訳ないと思っている」などと弁護士を通じ、コメントした。

県警トップの野川明輝本部長が盗撮事件を隠蔽しようとしたと改めて主張。「隠蔽を知っているのはごく少数で、記者が本部長に直接取材してしまうと、書面を送ったのが自分だと分かってしまうかもしれない」と懸念し、他人の名前を使ったとしている。

「隠蔽を指示した人物の名は、本部長でなければ誰でも良かったので、前刑事部長にしたことに深い意味はない」と説明。「本部長に進言しても聞いてもらえないだろうと諦めていた。自分の家族や将来も考え、実名で公表できなかった」と釈明した。

また、霧島署員によるストーカー事案について、被害者の個人情報を伝えたのは、ライターを信用させるためだったとし、「配慮が欠けており、本当に申し訳ないと思っている」と謝罪した。

札幌市を拠点とするライターと面識はないが、経歴から積極的に県警の不祥事を取材してくれると期待し、1度だけ文書を送ったと主張した。〔共同〕

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