東京都世田谷区

 東京都世田谷区の保坂展人区長は11日、同性カップルの住民票の続き柄欄を男女の事実婚と同様に「夫(見届)」などと表記する方針を明らかにした。同日の区議会定例会の本会議で、上川あや区議(レインボー世田谷)の質問に答えた。

 世田谷区は現在、パートナーシップ宣誓やファミリーシップ宣誓をしたカップルの続き柄を「縁故者」としている。保坂区長は「当事者の実情により近いものとなると考え、(事実婚と同様の表記を)取り入れていきたい。制度設計について早急かつ具体的な検討を指示した」と述べた。

 同性カップルの住民票の続き柄欄を巡っては、長崎県大村市が5月、住民の男性カップルに対して住民票の続き柄欄を「夫(未届)」と記載して写しを交付し、異例の対応として話題となった。

 世田谷区は、2020年に「同性パートナーも、事実婚に準ずるとする社会通念が形成されている」という見解を示している。災害によって死亡した人の遺族に弔慰金を支給する制度など、事実婚の夫婦が対象に含まれる既存の制度に関連し、同性パートナーも対象とした制度を独自に設け、同性カップルへの差別解消を図っている。【藤沢美由紀】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。