クレーンで運ばれた築石を慎重に受け取る作業員ら=熊本市中央区の熊本城で2024年6月11日午前11時26分、中村敦茂撮影

 熊本地震で被災した熊本城(熊本市中央区)の復旧工事の一環で、平櫓台(ひらやぐらだい)石垣の積み直しが11日、始まった。工事の完了は、2025年8月を予定している。

 天守閣北東にあった重要文化財の平櫓(木造平屋、建築年代不明)の土台となっていた石垣で、1600年代初頭に築かれたとみられる。地震で膨らみやへこみが出たため一部が解体されていた。

 修理工事では、内部に鉄筋や補強材を入れて耐震性を持たせたうえで、外側の築石(つきいし)約830個を積み直す。工事費は約1億6000万円。平櫓も地震で損傷して解体されており、30年度までに再建される予定。

 この日の作業ではクレーンで築石を一つずつ現場に運び、作業員らが位置を調整するなどしていた。見守った熊本城総合事務所の岩佐康弘・復旧整備課長は「補強を施しながら元の姿に戻す設計は難しく、やっとここまで来られた。安全・確実に作業を進めたい」と話した。【中村敦茂】

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