大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の元社長の山岸忍氏(61)が、違法な捜査で苦痛を受けたとして国に賠償を求めた訴訟の証人尋問が11日、大阪地裁であり、捜査を担当した検事2人が証人出廷した。関係者の取り調べで「検察なめんなよ」と発言していた男性検事は「不穏当だった」と述べた。
訴訟では取り調べの妥当性が争われており、検察独自捜査の担当検事が尋問されるのは異例だ。
「怒りで体が震えました」。証人尋問が終わった後、山岸氏は大阪市内で開いた記者会見で語気を強めた。
この日の法廷で椅子に深く腰掛け、証言に立つ2人の検事を真っすぐ見つめた山岸氏。会見で男性検事が無罪判決を「残念だった」と述べたことに触れ、「控訴しなかった検察側の言葉じゃない」と切り捨てた。検察に対しては「人の人生を左右する権力を持っているからこそ、間違いを起こさないようにしてほしい」と注文を付けた。
代理人を務める中村和洋弁護士は、山岸氏の元部下を取り調べた検事について「極めて問題のある取り調べだったにもかかわらず、やむを得ないと自己正当化し、非常に問題だ。証言には非常にあきれ、失望している」と述べた。【土田暁彦】
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