10階建てのマンションに相当する高さ約33メートルという、山のように積み上げられた大量の土砂を無許可で運び込んだ疑いで、残土処分などを行う会社の取締役・伊藤昭一容疑者(67)が逮捕された。
伊藤容疑者は2023年11月から2024年1月にかけて、千葉・多古町の空き地に町の許可なく土砂を運び込んだ疑いが持たれている。
13日朝、送検のため警察署から赤いジャージ姿で現れた伊藤容疑者は、これだけの量の土砂をどのようにして運び込んだのだろうか。
現場から数百メートル先にある畑で野菜などを栽培している男性は、「最初始まったころはダンプカーが(空き地に)頻繁に入ってきた時期があった。ゴミがたくさん積まれるようになって、山になるのはあっという間でした」と証言した。
4年前からダンプカーで運び込まれたという土砂は、いわゆる“建設残土”だった。
現場近くの畑で野菜を栽培している男性は、「畑で作業していると岩みたいな物が転がってきたりとか、そういう被害はありました」と話す。
現場近くに住む人たちは、この建設残土の山に頭を悩まされてきた。
「イット!」は、2年前の2022年9月にこの残土の山を取材していたが、このときは、もともと木々が生い茂っていた場所に土砂が盛られ、高さは、すでに30メートルほどに達していた。
近隣住民は以前から、残土を運び込む業者に作業の中止を求めたが、残土の搬入は止まらなかった。
そして、恐れていた事態が起きた。住民によると2021年6月に、雨で地盤が軟らかくなった時に、残土の山が崩れたのだという。流れ出した大量の土砂が道路をふさぎ、男性1人がけがをした。
多古町は、これまでに8回にわたって崩落の危険がある残土について行政指導を実施したが、伊藤容疑者は「残土は販売目的で置いてある。すぐに片付ける」などと回答したが、実際には対応しなかったという。
警察の調べに、伊藤容疑者は容疑を否認している。
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