夏の異常高温に対応するため、神戸市が繁華街・三宮周辺の交差点や公園に人が休める木陰を作るプロジェクトに取り組んでいる。6日にリニューアルオープンした磯上公園(同市中央区八幡通2)には、六甲山からケヤキの高木を移植したほか、ヒーリングガーデンを設け、市民が街中で涼を感じられる一角を作り出した。

信号待ちの間、木陰で休む歩行者=神戸市中央区御幸通8で2024年6月5日午後0時53分、栗田亨撮影

 市は、国が「まちなかの暑さ対策ガイドライン」を設けたのを機に、2019年度から三宮周辺などで冷却効果の高いミストの散布や散水を始めた。24年度から本格的に実施する木陰プロジェクトは、地表面の温度上昇を抑え、歩行者の体感温度を下げるなどの効果を狙う。第1弾として2月、JR三ノ宮駅南側のフラワーロードの交差点に信号待ちする歩行者の木陰となるケヤキ1本を移植した。

 磯上公園は広さ約2ヘクタール。有料グラウンドとして使われてきた約1ヘクタールに芝生と樹木約550本を移植し、遊具なども設置して市民が憩える公園として約4億円をかけて再整備した。

磯上公園に造られたヒーリングガーデン=神戸市中央区八幡通2で2024年6月6日午後3時51分、栗田亨撮影

 園内には木陰プロジェクトで六甲山からケヤキの高木2本を移植。さらに、JR三ノ宮駅前で23年に試験的に設置し好評だったヒーリングガーデンを設けた。国際的に活躍する造園家、栗栖宝一さん(85)の監修を受けた約2000平方メートルのガーデンは日本庭園の技法を入れた池や水景、滝があり、散策して楽しめる。遊歩道には保水性があり、熱をさえぎる舗装を使用し、涼を感じる空間にしている。

 市建設局整備課の担当者は「第3弾以降は検討中だが、徐々に広げていきたい」と話している。【栗田亨】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。