私立保育園連盟(上原東会長)がこのほど、コロナ禍の保育現場の取り組みなどをまとめた記録集を作成した。感染者が相次ぐ中でどのように園を運営してきたかや、保育士や保護者らの思いを盛り込んでいる。同連盟は「感染症による『有事』は二度とあってほしくないが、また起こるかもしれない。次の対策に記録集を生かしてもらえたら」としている。

 保育現場は平時から保育士が受け持つ子どもの数が多く、人手が足りていない上、コロナ禍には感染拡大で保育士が欠勤する事態に。配置基準を満たせなくても、原則開園して保護者の就労を支えるよう求められ、厳しい運営を迫られた。

 幼い子どもたちはマスク着用が難しく、ソーシャルディスタンスを取ることもなかなかできないため、不安を抱えながら勤務する保育士が少なくなかったという。

 記録集には各園が実践した感染症対策や、沖縄タイムスと共に保育士の負担に関するアンケートをした結果と寄せられた声なども掲載した。上原会長は「コロナ禍の3年余り、保育現場が懸命に子どもたちを守ってきたことが分かる内容。保育に対する社会の理解が深まり、保育環境の整備につなげられたら」と語った。

 記録集は400冊完成。200余の加盟園と保育士を養成する専門学校などに配布される。

(社会部・嘉数よしの)

(写図説明)記録集をまとめた私立保育園連盟の(左から)田仲雄二副会長、上原東会長、ウィンフィールドひろみ副会長=沖縄タイムス社

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