三笠宮家の彬子さまが発起人代表を務められている、能登半島地震で被災した漆文化を守るためのフラウドファンディングの募集が、きょう6月19日から始まった。
1月1日に発生した能登半島地震では、漆工芸が盛んな輪島が大きな被害を受けて、職人や工房が被災するなど危機に陥っている。
こうした現状を受けて、漆に関わる人たちの支援と、「漆」をテーマにした新作の能を上演するための資金を募るため、6月19日から「能登半島地震復興祈念『漆能』プロジェクト」と題したクラウドファンディングがスタートした。
発起人代表は彬子さまだ。彬子さまは、「日本の伝統文化が生き続けることができる土壌を形成したい」との自らの思いに共鳴した人たちと「心游舎」という団体を設立し、総裁を務められている。
彬子さまは今回のクラウドファンディングについて、「日本の漆芸を取り巻く環境は今、非常に大きな危機に瀕しています。能登半島地震以前から深刻化していた技や文化の継承の問題は、地震によって、いまだ被害の全貌さえ見えないほどのダメージを受けてしまいました」と現状について記された。
その上で、「私たちはかねてより、『漆』をテーマにした新作の『能』の制作、および、上演を企画してきました。その目的は、能登半島の漆芸文化を『記憶』と『技』の両面で次の世代へ継承することにあります。『源氏物語』や和歌が、能の台本である『謡(うたい)』に収録されることによって長く継承されてきたように、能登半島の漆芸文化を『能』にすることによって、後世にまで『記憶』として伝えたい。また、関連する漆芸作品の制作を通して、苦境に立つ漆芸職人たちを直接的に支援したいと考えています」とクラウドファンディングを立ち上げた理由を説明された。
目標金額は400万円で、寄付者には彬子さまからの感謝のメッセージや、若手の漆芸職人による作品などが送られるコースがある。
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