SNSの偽広告にアクセスして詐欺の被害にあう「SNS型投資詐欺」が急増している。
信用金庫の職員による説得で、詐欺被害を免れた男性が、関西テレビに詐欺の巧妙な手口を語った。
■異変に気付いた信用金庫職員
ことし4月、京都中央信用金庫久世支店を訪れた75歳の男性。
窓口で職員の清原啓子さんに「振り込みができない」と相談した。
男性はSNSを通じてある人物から15万円を振り込むよう指示されていて、清原さんはすぐに不審に感じたという。
■男性のスマホ確認すると「カタコトのメッセージ」
清原さんが、振り込みを指示してきた人物から男性に送られてきたメッセージを確認すると、語尾が不自然で、漢字の間違いが複数あり、カタコトの日本語だった。
詐欺だと確信した清原さんは同僚とともに男性を説得し、詐欺の被害を未然に防いだのだ。
この事案を受け、清原さん含め京都中央金庫の職員3人には今月、京都府警・南署の冨田明信署長から感謝状が贈られた。
■年金の足しに 興味本位で広告にアクセス
詐欺の被害に遭いかけた75歳の男性。
関西テレビにその実態を語ってくれた。
男性はことし3月、ネットサーフィンをしていたところ「1動画視聴=200円」と書かれた広告を見つけた。
年金生活をしている男性。
年金だけでは満足な生活ができないため、年金に加えて日ごろから月2万円ほどの収入が欲しいと感じていたという。
■動画視聴「スクショ」送信で2万5000円ゲットのはずが、15万円の違約金求められる
興味本位で広告にアクセスしたところ、暗号資産を扱う人物からSNSで以下のようなメッセージが届いた。
「動画を視聴した後、視聴した証拠としてスクリーンショットを送れば暗号資産のアプリに現金を送る」
当初は全く怪しいと思っていなかった男性は、暗号資産のアプリをダウンロード。
動画を視聴し、スクリーンショットを送ると、実際に暗号資産のアプリに入金があった。
そして、アプリから現金2万5000円を自身の口座に移すことができたのだった。
しかし、その後、やりとりしていた人物から「あなたのミスで暗号資産の買い付けが出来なくなった。違約金15万円を入金してください」とメッセージが届く。
口座に入金もあり、やりとりしていた人物を信じ切っていた男性。
今回だけだと思い、違約金15万円を持って、信用金庫を訪れた。
前述の信用金庫の職員清原さんの説得がなければ、男性は15万円をだまし取られていたかもしれない。
■急増する「SNS型投資詐欺」
男性が被害に遭いかけたのは近年急増している「SNS型投資詐欺」と呼ばれる手口だ。
警察によると、去年、京都府ではおよそ3億6000万円(27件)の「SNS投資詐欺被害」が発生しているが、ことしは去年を上回る勢いだという。
京都府警は「SNSで知り合った人から投資を勧められたら、詐欺の可能性が高いので家族や警察に相談してください」と呼びかけている。
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