記者会見する鹿児島県警の野川明輝本部長(21日午後、県警本部)=共同

鹿児島県警の情報漏洩事件について、県警の野川明輝本部長が21日、記者会見を開いた。逮捕された元幹部が本部長による不祥事の隠蔽があったと主張していることに対して、「私が隠蔽を指示した事実はない」と改めて否定した。一連の事件について「県民の皆様に多大な不安を与え改めておわび申し上げる」と謝罪した。

野川本部長は記者会見で「(元幹部による)私が隠蔽をはかったかのような発言は誠に残念」と述べた。事件で漏洩した情報には公表を望んでいないストーカー事件の被害者の個人情報が含まれており「公益通報ではない」と判断したと説明した。

県警では情報漏洩の疑いで逮捕された前生活安全部長、本田尚志容疑者(60)が「本部長が事件を隠蔽しようとした」と訴え、本部長が全面否定する異例の事態となっている。県警の信頼回復に向け経緯の徹底解明と説明責任が問われている。

野川本部長の記者会見に先立ち、鹿児島地検は21日、職務上知り得た秘密を退職後に漏らしたとして、本田容疑者を国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴した。

本田被告は枕崎署員の不祥事などについて記された文書を札幌市のライターに郵送。動機について「野川本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽しようとした」と主張した。

県警では、今年に入り捜査資料を漏洩した疑いがある巡査長や不同意わいせつ容疑が持たれた警部が4月にそれぞれ逮捕された。5月には県警枕崎署の巡査部長が性的姿態撮影処罰法違反(撮影)などの疑いで逮捕される事件もあった。

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