暖冬の影響もあり、例年とは異なり今の時期に多く発生しているというカメムシ。果物を食べ荒らすカメムシが増加していて、福島県内では果物などへの影響も懸念されている。

<今年は多い 一面にカメムシ>
福島県郡山市で果樹園を営む男性は、ある状況に驚いたと話す。
「暖かいから、納屋のそこに一面に張り付いていた。今年はカメムシ多いぞっていうような感じ」
福島県では調査を行っていて、設置したワナには6月15日は1匹だったが、この3日間で約10匹のカメムシが捕まっていた。福島県病害虫防除所の菅野英二次長は「山のスギの球果という実が豊作で、繁殖をして数が増えた。暖冬だったので越冬した数が多かった」と話し、これは異例の数だという。

<果物などに被害>
2024年に多く確認されているのが、果樹カメムシ類。福島県が行う8つの調査地点のうち6地点で平年よりも3倍~15倍ほど多い状況となっている。
福島県病害虫防除所の菅野次長は「果実にストローのような口ばしを差して汁を吸う。そうすると、その果実は商品化できないようなものになってしまう」と説明する。
福島県は防除に向けて、果樹農家に対しカメムシが食べる草の除去など適切な管理を呼びかけてる。

<ホテルでも対策に苦慮>
一方、毎年10月から12月ごろまでカメムシに悩まされるというホテル。支配人は「秋になると窓の隙間からカメムシが侵入してお客様にご迷惑をおかけして」と説明する。障子を開けると、カメムシよけのミントと虫よけ剤が置かれていた。
また、ホテルの入り口には虫よけ効果があると言われているミントを育てるプランターが並べられていた。2024年からカメムシ対策として、自分たちでミントを育てるなど対策を進めているという。

<対策が功を奏す>
さらに、はっか油とアルコールなどを混ぜたオリジナルの防虫液を作るなど、カメムシを近寄らせない対策は万全。
支配人は「夏のうちからしっかりと準備をしたり、スタッフとの対応を協議して、一丸となって対応していきたい」と話した。
今のところ客室の中にカメムシは確認されていないが、宿泊客にも窓を開けたままにしないことなどを呼びかけている。

農林水産省は全国30の都府県にカメムシ発生に関する注意報を発令。まだ福島県内には発令されていないが、隣県の茨城や栃木にまでやってきている。対策に追われる日々は続きそうだ。

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