一時は取り壊しが決まっていた古墳が国の史跡に指定されます。東日本では最大級で最古級とされる静岡県沼津市の高尾山古墳が、新たに国の史跡に指定されることになりました。
竹下 昇輝 記者:
沼津市の高尾山古墳です。こちらでは関係者以外の立ち入りが禁止されているほか古墳にはシートがかけられ、雨などで崩れないよう保護されています
沼津市東熊堂にある高尾山古墳は3世紀中頃に築造された全長62mの前方後方墳で、東日本では最大級かつ最古級とされ貴重な古墳です。
古墳からは青銅鏡や勾玉のほか大量の土器などが発見されていて、埋葬者は高い経済力と権力を有していたとみられています。
高尾山古墳は2005年に道路の建設に伴う調査で発見されましたが、市は道路の建設計画を変更せず、一時は取り壊しが決まっていました。
しかし専門家や市民から保存を求める声が挙がったことから、市は取り壊しを撤回し古墳の下にトンネルを掘り東側に橋を建設する整備方針に変更しました。
こうした中、国の文化審議会は24日 開かれた分科会での審議・議決を経て、新たに高尾山古墳を国の史跡に指定することを答申しました。
指定されれば県内では45件目の国指定史跡となります。
沼津市文化振興課・木村聡主任学芸員:
道路計画との両立も含め、国の文化庁にも認めていただいたことはうれしく思います。
この道が沼津インターから降りて最初に見える文化財になると思うので、街の顔になるようなシンボルとして使えるような整備を目指していきたい
高尾山古墳の正式な指定は秋ごろになる見通しで、沼津市は道路の建設を今年度中に着手する予定です。
改めてこれまでの経緯を説明します。
古墳は2005年に道路の建設にともなう調査で発見され、その後 東日本で最大級かつ最古級と判明しました。
しかし沼津市は周辺の渋滞解消に向け、2015年5月に古墳を取り壊して計画通り道路を建設することを決めました。
しかし市民グループが古墳の取り壊しの中止を求めたことを受け、市が再度協議をした結果 当時の栗原市長が市の方針を白紙としました。
そして2017年12月 古墳を残し道路を建設する案が新たな整備方針に決まりました。
それがこちらです。
東側2車線を橋梁にして、西側2車線を古墳の下くぐるトンネルを建設する計画で、橋梁部分の工事は2024年度の着手を目指しています。
高尾山古墳も2024年秋ごろに正式に史跡に指定される予定で、この道路は2026年度から暫定的に開通していく見通しです。
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