埼玉県の桶川市立桶川中学校で今春、バスケットボール部の男子生徒(13)が試合中にあごを骨折するけがをしたにもかかわらず、男性顧問が保護者に連絡せず病院も受診させなかった問題で、学校が生徒から聞き取りをせずに11日夜の保護者説明会を開いていたことが、関係者への取材で判明した。生徒の保護者は「顧問の言い分だけを事実のように発表するのはおかしい」と怒りをあらわにしている。
学校関係者によると、説明会は11日午後6時から校内で開催され、保護者ら約200人が出席した。校長は説明会の冒頭、「ご心配をおかけして申し訳ない」と謝罪。一方で、試合後の顧問の対応について「『眼鏡をかけて自分の顔を見てごらん。どこが痛いの。自分で見て変形したりしている?』と声をかけ、鏡の前で生徒の顔に変形や腫れがないかを確認した」と説明。「乱暴な言葉遣いや高圧的な態度は無かったと捉えている」と強調した。一部保護者から「生徒本人にヒアリングしたのか」と質問があり、学校側は「していない」と回答した。
けがをした男子生徒の保護者や学校関係者によると、生徒への聞き取りは翌12日に行われたという。生徒の母親(48)は「子どもは顧問から『立て』と何度も言われ、『(骨は)曲がってないよな。だから折れてない』などと強い口調で叱責されたと話している。顧問から聞き取った内容だけを発表するのは、あまりに一方的ではないか」と語った。
聞き取りが説明会後になった理由を尋ねた毎日新聞の取材に対し、教頭は「保護者のみを対象とした説明会に関することなので、回答は差し控える」とした。【加藤佑輔】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。