山開きを7月に控えた富士山で3人が心肺停止の状態で発見され、その後、死亡が確認されました。
発見された場所は、富士山山頂の火口付近。
何があったのでしょうか。
これは、26日午後2時ごろに富士山頂を撮影した映像。
雪が残る火口付近で、捜索隊とみられる人々が担架のようなものを運び出しています。
登山客とみられる3人を心肺停止状態で発見。
26日午後、死亡が確認されました。
山開き前の富士山で何が起きたのでしょうか。
警察によると、3人は静岡県側の火口付近でそれぞれ離れた状態で発見されたということです。
捜索のきっかけは、6月23日に出された行方不明者届でした。
東京都内に住む53歳の男性は、21日の夜、家族に「富士山に行く」と告げて外出。
その後、山頂で撮影したとみられる写真を送ったのを最後に連絡が取れなくなります。
下山予定だった22日になっても帰宅せず、家族が警察に届けていました。
発見された3人のうち1人は、行方不明だった53歳の男性だったことが明らかになりました。
警察は、男性が発信機を持っていたとみられるとしています。
5合目にある東富士山荘の米山千晴さんは、「日曜日の朝、暴風雨の中、1人の方が訪ねてきた。その方が家族の方から相談を受けて、車を捜しに来たら須走口の駐車場にあった。その方は発信機のレンタル会社のような方で、それを『本人が付けて登っている』と、『その受信機も持ってきている』ということだった」と話しました。
26日、登山道の一部の区間が解除された富士山。
しかし、山頂まで解除される本格的な山開きは5日後の7月1日です。
そのため、26日の登山口の門は閉まっていました。
富士山の公式サイトでは、山開き前の登山について「積雪などにより危険」としています。
登山をする人たちに向けて警告する看板も設置してありますが、周辺の人に話を聞くと、自己責任で、看板の脇から登山を始めていく人が多くいるということです。
24日から26日までの山頂の最高気温は、全て10度を下回っています。
一方、ふもとの静岡・御殿場市では全て30度近く。
山頂とふもとでは、約20度の気温差です。
富士山の8合目の山小屋で営業を始める準備をしていた、表富士宮口登山組合の池田裕之さんは、山開き前の富士山登山の危険を、「雨風しのげるところがない、小屋が開いていないということは。そうすると低体温症がすごく考えられる。寒くて震えてという感じ。誰かに知らせようと思っても、携帯電話が意外と、富士山もまだまだ開山前だとつながらなかったりだとか」と話しました。
世界遺産として人気の富士山には、閉山中でも多くの人が詰めかけています。
2024年5月の取材では軽装で山頂を目指す人もいました。
また2023年、閉山後の9月には弾丸登山した19歳のアメリカ人男性が遭難し救助されています。
富士山には、2024年1月にも東京都在住の男性が登山で向かっていたとみられていて、行方不明者届が出されています。
警察は残る2人の身元の確認など調べを進めています。
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