文部科学省は28日、少子化の影響で2040年度ごろの大学・短大進学者が毎年約2万3000人減少するとの試算を示した。23年度の大学・短大計1070校の入学定員の中央値は270人で、8%にあたる86.5校分減ることになる。中央教育審議会の特別部会で示した。

特別部会は夏ごろ、高等教育のあり方に関する中間まとめを出す。大学の再編や統合策などについて秋以降、具体的な議論を進める。中教審は24年度中に答申をまとめる方針だ。

文科省の試算によると、40年度ごろに大学進学を迎える19〜23年に生まれた子どもは、平均して前年度から約3万8000人減少する。これに23年度の大学・短大への進学率である61%を掛け、40年度ごろの大学・短大進学者の減少数の予測値を出した。留学生や社会人などは含まない。

特別部会が28日に公表した中間まとめ案では、急速な少子化を受け「入学者の増加を望むことは難しい中、今後は定員未充足や募集停止、経営破綻に追い込まれる高等教育機関がさらに生じることは避けられない」と危機感をあらわにした。

大学の再編や統合への支援などについても言及。高等教育全体を適正な規模にするため、留学生や社会人の受け入れを促進することや、学生確保の見通しも踏まえて設置認可審査を厳格に実施することなどが盛り込まれた。

同省は23年、留学生を含む大学入学者数が40年以降に49万~51万人に減ると試算。22年は63万人だった。総入学定員が同年の規模で維持される場合、8割しか埋まらなくなり、大学の淘汰は避けられない状況だ。

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