叔父を車でひいて殺害し保険金約1500万円をだまし取ったとして、殺人などの罪に問われている男の裁判で、28日午後、男に判決が言い渡されました。

年が10歳上の叔父・西村一敏さん(当時64)を車で何度もひき、殺害したなどの罪に問われているのは、会社役員の松成英一郎被告(57)。

起訴状によると、松成被告は2021年4月、福岡・うきは市の駐車場で、叔父の西村さんを車で何度もひいて殺害。
そのうえで、西村さんが事故で死亡したかのように装い、保険金約1500万円をだまし取ったとして、殺人や詐欺などの罪に問われています。

FNNが入手した火葬場での写真には、西村さんを見送る松成被告の姿が写っています。
故人との最後の別れを惜しむこの場で、松成被告は大きな声で「一敏!あっぱれあっぱれ!みんな『あっぱれ』って言ってやれ!」と呼びかけたといいます。

当時、大分県内で1人暮らしをしていたという西村さん。
おいである松成被告は、自身が経営する運送会社に西村さんを雇い入れ、面倒を見る立場にありました。

先週行われた裁判で検察側は、当時、松成被告には会社の赤字と競艇で多額の損失があったと指摘。
「人の命を金に換える、残忍で冷酷な犯行」として無期懲役を求刑しました。

一方、松成被告は、冤罪だとして自らの潔白を訴えました。

28日の判決を前に、松成被告はFNNの取材に応じ、「僕は28日に(無罪に)変わるから怖くない。確信しているから、なんとも思いません」と改めて無実を訴えました。

そして迎えた28日午後3時、裁判長は「なんら落ち度のない被害者を狙った冷酷非道な動機に酌むべき点はない」と述べ、検察側の求刑どおり、無期懲役を言い渡しました。

判決の読み上げをじっと聞いていた松成被告。
終了後、傍聴席に向かって「ありがとうございました」と声を発し、法廷をあとにしました。

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