2024年元日に発生した能登半島地震から、7月1日で半年です。最大震度5強を観測したあわら市では、いまも地震による液状化現象の爪痕が残ります。専門家は「県内でも同規模の大地震が起きる可能性がある」として警鐘を鳴らしています。
 
半年前の能登半島地震で、あわら市の北潟湖周辺では最大震度5強を観測しました。地震が地盤の液状化をもたらし、いまも爪痕が残っています。地盤の緩い北潟湖周辺では、6カ所で堤防の傾きや地盤沈下が確認されました。現在、工事の準備が進められていて、県は2024年度中に完了したいとしています。
 
北潟湖周辺の住民は「地震は一番嫌。火事よりも嫌。あっという間やで、年をとると(対処が)できなくてあかん」と話します。
  
福井大学で地質学を専門に研究している山本博文教授は、この先、さらにひどい液状化被害が待っているかもしれないと警鐘を鳴らします。
  
福井大学・山本博文教授:
「この断層が仮に動いたら、震度6強から7、すなわち能登半島の被害を受けたところと同じような地震が県内を襲ってくると予測される」
  
6月30日に福井大学で地震災害をテーマに行われた公開講座で、県の内外から集まった70人が耳を傾けました。能登半島地震は、半島北部の沿岸に伸びる活断層が広い範囲にわたってずれ動いたことが原因と見られています。
  
一方、福井市の越前海岸にも、能登半島地震を引き起こした活断層と似た断層があります。断層は、敦賀市から福井市の沿岸にわたって伸びています。山本教授は、この断層が県内で大地震を引き起こす可能性があると指摘します。
   
福井大学・山本博文教授:
「能登半島北部の活断層と長さがほぼ同じで、活動パターンも似ている。もし動いた場合には、特に福井平野全体に大きな被害が見込まれる。能登半島で震度6強~7だったが、同じような形で福井平野全体が揺れるのだろう」
  
県内は今後、元日に観測した最大震度5強よりも、大きい地震に襲われる恐れがあるとの説明に、講座に訪れた人たちは大地震への危機感を強めていました。
  
講座を聞いた人は「能登半島地震が起きる前までは、福井の人は津波をあまり考えていなかったと思うが、きょうの話で津波はあり得ると感じた。津波が起きたときに被災者をどうするのか、福井で考えないといけない」「日頃から防災バッグや避難所の確認をしないといけないと再確認できた」「他人事ではない。身近なことから震災に対する意識を高めないといけない」などと危機感を口にし、いま何の備えができるのか、“災害への危機感”を感じ取っていたようでした。
   
防災について、山本教授は「耐震補強が重要だ」としています。一方で金銭面が心配な場合、お金をかけなすに今からでもできることはあるといいます。
 
家にいる時間の半分は寝室なので、▼寝室に家具を置かない▼家具に押しつぶされない位置に動かす。これらは、大掃除や片付けの際にできる地震対策です。地震の被害は、家が崩れて押しつぶされ窒息するケースが多いことから、山本教授はこれらの事に気を付けてほしいと呼び掛けています。

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