文科省を訪問後、取材に応じる東京女子医大の医師有志(2日、東京・霞が関)=共同

東京女子医大(東京・新宿)で同窓会組織・一般社団法人「至誠会」を巡る特別背任事件や医学部推薦入試に絡む寄付金収受問題が浮上していることを受け、同大病院の医師有志が2日、文部科学省を訪れて大学の現状などを説明し、岩本絹子理事長や理事会への指導を求めた。

消化器病センターの本田五郎教授は、報道陣の取材に「医療活動が萎縮し、女子医大でしかできない手術などを存分に行えない状況になってきている」と強調。岩本氏の辞任や解任を求める2千人以上の署名を集め、理事会に解任を要求したが拒否されたことも明らかにした。

有志が文科省に提出した文書によると、警視庁の捜査を受けて開かれた今年4月の説明会で、登壇した理事が岩本氏の責任を否定する発言をした。人件費削減を掲げた経営方針で医師や看護師らの退職が相次ぎ、病床稼働率が約5割まで下がったが、岩本氏は「方針は適正」との認識を示した。寄付金収受問題などについても経営陣から説明がないとしている。

至誠会を巡っては、勤務実態のない職員に給与が支払われた疑いがあるとして、警視庁が今年3月、一般社団法人法違反(特別背任)の疑いで大学本部や岩本氏の自宅などを家宅捜索した。岩本氏は23年4月、至誠会の会長を解任されている。〔共同〕

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