在沖縄米兵による2件の性的暴行事件が相次ぎ発覚した問題で、昨年以降、沖縄県警が摘発した米軍人らによる事件のうち、報道発表していない性的暴行事件が他にも3件あることが2日、分かった。安里準県警刑事部長による1日の県議会米軍基地関係特別委員会での答弁によると、報道発表のなかった性的暴行事件は昨年以降、計5件となる。

捜査関係者によると、新たに判明した3件は、軍属と海兵隊員による2つの不同意性交事件と、海兵隊員による1つの強制性交事件(昨年7月に罪名変更)で、3事件はいずれも起訴されていない。県警は、以前の県議会特別委で報告したとしている。

県警は従来、3カ月に1回程度開催される特別委で、米軍関係者の摘発について罪名と件数を報告。容疑者名や個別の事件の発生日時、内容などは説明していない。

安里部長は1日の特別委で、先月発覚した2事件に関し、報道発表や県への連絡をしなかった理由について「性犯罪被害者のプライバシーを保護するため」「公判などへの影響を考えて判断した」などと回答。県警トップの鎌谷陽之本部長以下、幹部で決定したとした。

県警幹部の一人は取材に「これまでも特別委で報告しており、捜査機関としては適正に対処していた。米軍の事件について、県に対して隠す意図もない」と話した。

先月発覚した2事件は、いずれも地元メディアの報道で明らかになった。県内では県警や、事件を把握して米側に抗議するなどしていたにもかかわらず、県に通報しなかった外務省の対応について、激しい批判が起こっている。〔共同〕

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