大阪国税局、大阪国税不服審判所が入る庁舎=曽根田和久撮影

 顧問先の脱税を指南した見返りとして得た報酬を申告せず、計約3400万円を納付しなかったとして、大阪国税局は河合寿章・元税理士(74)=廃業=を所得税法違反の疑いで大阪地検に告発した。関係者への取材で判明した。河合元税理士は顧問先から計約9400万円を受け取っていた疑いがあるという。

 国税局は、河合元税理士が顧問を務めていた大阪府摂津市のリフォーム会社「ジョイハート」と、同社の中村新一前社長(51)らも法人税法違反などの疑いで告発した。

 関係者によると、河合元税理士は中村前社長と共謀し、2018年から21年までの3年間、関係会社に架空の工事費を計上。計約3億8900万円の所得を隠し、法人税や消費税など計約1億4100万円を脱税したとされる。

 脱税は中村前社長が持ちかけたとされ、不正な所得から河合元税理士に報酬が支払われていたという。ジョイハートの担当者は取材に「税理士の指示に従っていた。このようなことになって困惑している」と話した。【井手千夏】

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