神奈川・横浜市の関東学院小学校で、子どもの習い事の送り迎えをタクシーで行う、新たな取り組みが始まりました。

hab・豊田洋平代表取締役は「子どもの頃に母親に送迎をしてもらっていて、かなり大変な思いで“送迎”をしてもらっていた。それが今と全く変わってなくて、テクノロジーの進化でこの課題解決できるのでは」と話しました。

真剣な面持ちで授業を受けるのは、2024年4月に関東学院小学校に入学したばかりのピカピカの1年生たちです。

この学校では、登下校時に少し変わった移動の方法でアフタースクールへ向かうといいます。

子どもたちが向かった先で待つのはタクシー。
子ども専用送迎シャトルのシェアリングサービスを提供している「hab」と「横浜市」が、子育てと仕事の両立支援を目的に始めた“子ども専用相乗りタクシー”です。

事前に行き先を予約すると、AI(人工知能)によってタクシー送迎のルートを算出し子どもたちが相乗りで利用できる仕組みになっています。

タクシーの到着や乗車、経路情報などは全てLINEやアプリに届くシステムに。

さらに車内の子どもたちの様子は、車載カメラを通じてリアルタイムで確認できるという工夫もされています。

アテンドするのは子どもたちの送迎のための研修を受けたドライバー。
走行中に子どもへの注意などの対応を心掛けているという子育てタクシードライバーは、「(子どもたちが注意を)聞かないようでしたら安全なところで停車して、しっかりと顔を見て“なぜいけないのか”っていうのを伝えている」と話します。

習い事を掛け持ちする子どもたちも多い中、仕事の都合で送迎が厳しいという声に応える形で始められたこのサービス。

今回、学校側が導入したのにはある理由があります。

関東学院小学校・辻望教頭は「もういま私立の小学校でも保護者の方、ご両親が働いているという方が大変多くなっています。『アフタースクールないんですか?』という質問多く受けました。そう考えるとアフタースクールというのは、求められているものなんだなということを感じてきました」と話します。

共働き世帯が多い近年では、アフタースクールへの需要は年々高まりつつあり、保護者が安心して学校を選べるように学校側も時代に合わせた変化が求められているといいます。

子どもタクシー利用の保護者たちからは「共働きで物理的に無理というところがあるので、こういうサービスがあると便利だなと。(アプリから乗車中の)写真を送っていただいたりだとかあるので、子どものいる場所が常に分かって安心かなと」「特に1年生は本人も通学がとても不安だったり、負担だったりするので、サポートしていただけるのはすごく助かっています」などの声が聞かれました。

子育ても働くことも諦めない。
“誰もが諦めない世界”を目指す子どもタクシー。

今後について、hab・豊田代表取締役は「“本当に重たい課題”なんだなと。お子さまが習い事いけないだけでなくて、保護者さまのキャリアアップであったり、自己実現。これも阻害している。地域の事業者さまとの連携、これがどんどん広がっていくと、ご利用の負担額も減ってきますし、ご利用できる人数も増えていく。それを全国に展開していく。こういったことを実現していきたい」と語りました。

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