3日の新紙幣発行に便乗した詐欺被害が広がる恐れがあるとして、警察などは注意を呼びかけている。

「7月から新紙幣に変わるため、職員が交換のため自宅までお金を取りに行きます」「国が新札の発行枚数を決める調査をしており、自宅に現金を保管していれば預けてください。1時間で返します」

警視庁によると3月以降、金融機関の職員を名乗るこうした虚偽の電話が目立つようになった。承諾した被害者の自宅を訪れ、旧紙幣をだまし取る手法だ。被害が確認されたのは都内の80〜90代の男女4人で、計約1500万円を詐取されたという。

財務省は旧紙幣も引き続き通用するとして、詐欺行為への警戒を促している。捜査幹部は「金融機関の職員が紙幣の交換を求めることはあり得ない」と強調する。

旧紙幣の回収に紛れた偽札の流通にも注意が必要になる。警察庁によると、前回紙幣のデザイン刷新があった2004年には、00年以降で最多の2万5858枚に上る偽造紙幣が見つかった。

警察庁の露木康浩長官は6月の記者会見で「通貨の信用を損ない経済取引の安全を害する犯罪に対しては、法と証拠に基づき厳正に対処していく」と強調した。

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