熱海市伊豆山を襲った土石流災害は7月3日で発生からちょうど3年となり、被災地では追悼式が行われました。
関連死も含めて28人が犠牲となったこの災害をめぐっては、復旧・復興の遅れが指摘されていて、取材に応じた熱海市の斉藤栄 市長は「否めないと思う」と認めた上で、理由について「用地の買収、JRとの協議に時間がかかっている」との認識を示しました。
一方で、事業は着実に進んでいることを強調し、「個別の区間がいつまでに完成する、または着工するといったことを、丁寧に地元のみなさんや被災者のみなさんに伝えていきたい」と述べています。
また、被害は違法性が疑われる盛り土によって拡大したとみられることから、娘(当時44)を亡くした小磯洋子さんは追悼式の終了後、鈴木康友 知事に対して「(知事は)予測できなかったと言っていたが予測できていた。10年前から『危ない』と現場の人が言い、4回も県庁に行って係の人に(伝えている)。ちゃんとテープも残っている。ご存じですか?」「聞いたことありますか?」などと尋ねましたが、知事はうなずくだけで何も答えることはありませんでした。
その上で、小磯さんは「原因究明はまだ何も始まってもいないし、終わってもいない。娘も自分がなぜ死んだかわからないと、今でも私は思っている。ちゃんと向き合ってほしい」と伝えるも、鈴木知事が言葉を発することは最後までなく、報道陣からの問いかけにも無言を貫きました。
そして、消防に最初の通報が寄せられた午前10時28分。
市内各所で犠牲者に黙とうが捧げられ、このうち妻・路子さんが犠牲となった田中公一さんは「助けてあげることが叶わず、あいつに1人背負わせてあの世に行かせてしまったような状態なので、それを悔やむというか…」と後悔の念を口にし、「本当はもっと楽しい人生がこれからあっただろうけど…」と最愛の人に思いを寄せました。
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