西日本豪雨から6年となり、岡山県倉敷市真備町地区で手を合わせる人たち(6日)=共同

14府県で災害関連死を含め306人が亡くなった2018年の西日本豪雨は6日、最初の大雨特別警報が出てから6年となった。岡山、広島両県の被災地で献花台が設けられ、住民や自治体関係者が追悼した。教訓を風化させないよう「災害の記憶をつなぐ」と決意。復興と防災への誓いを新たにした。

列島各地で近年、線状降水帯や大型化する台風などによる豪雨が続発しており、水害への備えが急務になっている。

甚大な浸水被害が起きた岡山県倉敷市真備町地区では、伊東香織市長が「安全なまち、良いまちになるように皆で頑張る」と述べ、白菊を供えた。地元の住民団体会長、野田俊明さんは「(犠牲者の)思いをつなぎ、残された人で完全な復興に向け取り組む」と話した。

西日本豪雨から6年となり、広島県坂町小屋浦地区で献花する人たち(6日)=共同

広島県呉市では、新原芳明市長が献花後「市民みんなで災害の記憶を継承していく」と強調。献花前に被災現場に足を運んだ工幸恵さんは亡くなった近所の人の顔が浮かび涙があふれたといい「6年は短いような長いような。毎日一生懸命生きてきた」と振り返った。

広島市安芸区で追悼した市内の40代男性は「遺族にとっては何年たっても節目は存在しない。(災害の爪痕を)遺構として残し、経験を伝えていきたい」と語った。

広島県内ではいまだ5人が行方不明になっており、県警と消防などはこの日、4つの河川と周辺の島を一斉捜索した。

西日本豪雨の行方不明者を捜索する消防隊員や警察官ら(6日、広島県海田町)=共同

西日本豪雨の犠牲者は広島県が153人、岡山県が95人、愛媛県は33人に上った。3県で最大5千戸ほどの仮設住宅が供給されたが、唯一残っていた愛媛県の仮設住宅が今月5日に期限を迎え、全て解消された。〔共同〕

「日経 社会ニュース」のX(旧ツイッター)アカウントをチェック

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。