広島県安芸高田市長を経て都知事選に挑戦した石丸伸二氏(41)は、大手銀行のアナリストや自治体トップを務めた経験を前面に出して選挙戦を展開した。「本当に全力を尽くせた。胸を張って『できることは全部やった』と言える」と語り、選挙戦を支えたスタッフらに感謝の言葉を述べた。
石丸氏は7日夜、新宿区内の事務所で選挙期間の17日間を振り返り、有権者の投票行動に言及。「今まで選挙に縁がなかった方が投票に行った」と指摘し、「政治を再建するのは特定の個人ではなく住民の意識。そこが変わってきたのは自分にとって大きな成果」と語った。
無党派層を中心に支持を広げた要因について「面白そうだからではないか。本人が楽しそうに選挙、政治に向き合っているのが伝わったと思う」と分析した。
印象に残った場面を問われると、選挙戦最終日の6日夜に行った東京駅前の街頭演説を挙げ「演説を目的とした人で埋め尽くされている。あの光景がすごいな、と自分のことながら感じた」と語った。
事務所にはイメージカラーの紫の服を着たボランティアらが集まった。現職都知事の小池百合子氏には届かなかったものの、陣営関係者は「ここまで大きく盛り上がるとは思っていなかった」と手応えを口にした。
企業出身の経歴から「経済を知り、行政を知る都知事」を目指すと強調。街頭演説では「みんなで時代を動かすチャンスが来ている。東京を動かそう」と変化を訴えた。
公約は政治再建、都市開発、産業創出の3つを柱に据えた。都政の情報公開を強化し、人口過密を和らげることなどを盛り込んだ。デジタル技術を用いた行政サービスの最適化のほか、多摩地域の魅力向上に取り組むとした。
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