事件現場近くの献花台で手を合わせる人(8日、奈良市)

奈良市で安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件は8日、発生から2年を迎えた。現場となった近鉄大和西大寺駅前近くの広場には前日から献花台が設置され、追悼に訪れる人々の姿が早朝から見られた。

午前7時すぎ、昨年に続きこの日に合わせて訪れたという兵庫県伊丹市の男性(71)は安倍氏の遺影に向かって手を合わせ「今も事件を防げなかったのかと考えると悔しさがこみ上げてくる。警護の隙を突かれた教訓をいつまでも忘れないでほしい」と話した。

1年前のこの日は、手製銃を模したものを掲げた男が現場近くで取り押さえられる騒ぎがあった。献花台を設置した自民党奈良県連は今回、市や県警と事前に協議。周辺を鉄柵で囲み、手荷物検査を実施した。

事件は2022年7月8日午前11時半ごろに発生。奈良市の近鉄大和西大寺駅前で街頭演説中だった安倍晋三元首相(当時67)が銃撃され死亡した。現場で取り押さえられた山上徹也被告(43)は殺人罪などで起訴され、争点などを絞り込む公判前整理手続きが奈良地裁で進む。裁判員裁判で審理される見通しで、初公判は来年以降との見方もある。

また警察庁は事件で当日の警護態勢に不備があったとする検証結果を公表。都道府県警察が主に担っていた警護計画の策定を事前に審査する形式に改めるなど、要人警護の体制を大幅に見直した。

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