旧優生保護法下で中絶手術と不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、北海道の女性と夫=提訴後に死亡=が国に2200万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は、原告側の上告を退ける決定をした。4日付。不妊手術を受けたと裏付ける証拠がないとして請求を棄却した一、二審判決が確定した。

2018年以降、障害のある人ら39人が全国12地裁・支部に起こした一連の訴訟で、原告の敗訴が確定したのは初めて。女性は中絶を理由に提訴した最初の原告だった。

一、二審判決によると、知的障害のある女性は1981年に中絶手術を受け、その後妊娠することがなかった。

原告側は「旧法に基づき、中絶手術と不妊手術を受けさせられた」と訴えたが、21年2月の一審・札幌地裁判決は、医師の意見書や手術痕の写真など不妊手術を受けた客観的な証拠がないと指摘。中絶手術についても、経済的理由から受けた可能性があり、旧法に基づく手術とは認められないとした。昨年6月の二審・札幌高裁判決も支持した。

〔共同〕

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