退任慰労金を不当に減額されたとして、テレビ宮崎(宮崎市)の渡辺道徳前社長(78)が同社と寺村明之社長(68)に減額分など計2億350万円の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は8日、減額を決めた取締役会の決議を適法として、渡辺氏の請求を棄却した。同社側に全額の支払いを命じた一、二審判決を取り消し、渡辺氏の逆転敗訴が確定した。
判決によると、渡辺氏は2017年に退任。同社の取締役会は18年、CSR(企業の社会的責任)事業への過大支出などで重大な損害を与えたとする調査委員会の最終報告書を踏まえ、退任慰労金から1億8500万円を減額し、5700万円を支給すると決議した。
第1小法廷は、取締役会が調査委の指摘を受け、相当程度具体的に審議して慰労金の大幅減額を決めたとし「減額の判断が不合理とは言えない」とした。
寺村社長は東京都内で記者会見し「正しい判断をいただき安堵している」と述べた。渡辺氏の代理人弁護士は「不当判決で遺憾」とのコメントを出した。
21年の一審・宮崎地裁判決は、渡辺氏が同社に重大な損害を与えたとは認められないとして、全額の支払いを命じた。22年の二審・福岡高裁宮崎支部判決も支持した。〔共同〕
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