全国学力テストに臨む生徒(18日午前、東京都内の中学校)=代表撮影・共同

文部科学省は18日、全国の小中学校で全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を行った。国語と算数・数学の2教科で、データや複数の資料の活用力を試す問題が目立った。文科省はオンラインで解答するCBT方式を来年度に本格導入する計画で、今回は生活状況などについてのアンケートに初めて全員が学習用端末で答えた。

小学6年と中学3年が対象で、国公立のほぼ全校と私立校の約4割で実施。計約200万人の児童生徒が参加した。文科省によると、17日夜に愛媛、高知両県で最大震度6弱を観測した地震の影響で両県の小中学校が一部休校したため、今後対応を検討する。能登半島地震で被害を受けた石川県輪島市では市立小中学校全12校が参加を見送った。

小中学校の現在の学習指導要領は思考力や表現力を伸ばすことを目指す。設問はこれに沿って、複数の資料を分析したり、組み合わせて活用したりする力を試す内容が目立った。

小6算数は最高気温の予報の表やグラフなどを見て、桜の開花予想日を求めるのに適した数式を選ぶ問題が出た。中3国語ではインターネット上で自分好みの情報ばかりに触れてしまう「フィルターバブル現象」を取り上げ、グループでの話し合いの内容を踏まえながら自分の意見をまとめる力を測った。

アンケートでは小中学校で1人1台配備された学習用端末を活用した。文科省は25年度には中学の理科で全面的に導入し、26年度以降も対象を拡大していく方針だ。CBT方式では解答データの収集や分析が容易になるほか、複数の問題セットを出題することで、より多くの解答データを取得できる。

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