2027年に宮崎での開催が内定している国民スポーツ大会。県は天皇杯獲得を目指している。しかし、近年の大会では宮崎県の順位は30位台から40位台がほとんどとなっていて、特に、18歳以上の成年種別の競技得点が伸び悩んでいる。こうした状況を受け、県内では、成年の競技力向上を目指し、企業でのアスリート雇用が進められている。

アスリートが会社の活力に

実際にアスリートはどのように働いているのか、アスリート雇用を考えている企業に向けた報告会が開かれた。

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報告会には、アスリート雇用を検討している約50の企業が参加し、アスリートを雇用する4社が勤務形態などを説明した。

アスリートが働きながら競技を続けるために重要なのが、「練習時間の確保」と「社内の理解」。丸栄ニューウェーブでは、カヌーの島津早耶子選手を総務企画の正社員として雇用していて、練習や合宿も勤務扱いとしている。

島津選手は「アスリートをこれからどのように雇用するかは、企業とアスリートで作り上げていくものだと私は思います」と話した。

また、各企業の担当者は、「アスリートが持つ粘り強さや問題解決能力、積極性などは会社の活力になる」と強調した。

丸栄ニューウェーブ・筒山尚登事業部長は「1位を狙うんだというところの気持ちが私どもの会社に足りなかったことだなと、それを気付かせてくれる島津がいることで、締まるところが会社の中にある」とアスリートを雇用するメリットについて紹介した。

また、サザンクロスシステムズ・東原擁慈本部長は「アスリートの社員は、いつまでにこれをクリアするというのを自分なりに立てているそうです。『どうしてそんなことを考え出したの?』と聞いたら、競技の中で日頃やっているからと」と、アスリートの仕事に対する姿勢について語った。

実例を聞いて参加者からは、アスリート雇用に前向きな声が聞かれた。

シフトプラス宮崎営業所 岩切陽子さん:
上層部で許可がおりれば弊社でも採用できればと思います。

都北産業 辻辰朗係長:
アスリートとして実績も残してほしいし、社員として会社愛も持ってほしいし、そこの調整が難しいなと考えていたところなので、どうやっているのか実際聞けましたし、見学にも来てくださいとおっしゃっていたのが非常に良かったです。

県は、2027年までに企業や県職員などあわせて約280人のアスリートを雇用することを目指している。「宮崎国スポ」で天皇杯獲得の原動力となることが期待されている。

(テレビ宮崎)

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