今年2月、福岡市内で覆面パトカーを装った車でサイレンを鳴らしながら交差点に進入し、タクシーと衝突して運転手や客にケガをさせた罪に問われている男2人の初公判が開かれ、2人とも起訴内容を認めました。

危険運転致傷の罪に問われているのは、事故当時、車を運転していた長崎市のアルバイト・本村陸被告(24)と、助手席に乗っていた北九州市八幡西区の無職・仰木康汰被告(25)です。

起訴状などによりますと、被告ら2人は共謀の上、今年2月17日午前1時半すぎ、福岡市中央区天神で、普通乗用車に赤色回転灯をつけ、あたかも覆面パトカーのようにサイレンを鳴らしながら赤信号の交差点に進入し、青信号で直進してきた個人タクシーと出会い頭の衝突事故を起こし、男性運転手(61)と客3人に軽いケガをさせたとされています。

事故直前には、走行中にサイレンを鳴らしながら、マイクで「交差点に進入します」と呼びかけまでしていたといいます。

この事故で、個人タクシーの運転手が約400万円かけて購入した新車が、わずか1カ月で廃車になりました。

11日、福岡地裁で初公判が開かれ、運転していた本村被告は「起訴事実に間違いありません」、助手席に乗っていた仰木被告も「間違いございません」と、起訴内容を認めました。

弁護側も起訴内容について争わない方針です。

一方、検察側は、被告2人の関係性や今回の事故までの経緯について、以下のように述べました。

・本村被告は幼少期から車、特にパトカーが好きで、インターネットを介し、高校生のころ仰木被告を知った。

・その後、自分の車を覆面パトカーに改造した本村被告を、仰木被告がパトカー好きの集まるイベントに誘う形で仲を深めていった。

・2人は事件事故現場の警察の対応を撮影したりするインターネット上のコミュニティに属していて、2人は、本村被告が覆面パトカーを運転、仰木被告がパトランプを車上にのせアナウンスをするという役割分担で、危険な運転をこれまでに10回くらい繰り返していた。

・今回の事故でも、緊急走行を開始したパトカーを追尾する目的で信号無視している。

検察は、違法に車を改造した罪でも2人を追起訴する方針です。

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