旧統一教会の高額献金を巡り、元信者が「賠償請求を行わない」と署名した念書の有効性が争われた裁判で、最高裁は、「念書は無効」との判断を示しました。

旧統一教会の元信者だった高齢女性は、約1億円を違法に献金させられたと訴え、教団側に賠償を求めています。

一審と二審は、女性が「賠償請求を行わない」とする念書に署名していたことなどから、訴えを退けていました。

最高裁は判決で、女性が念書を書いた半年後に認知症と診断されたことなどをあげ、「合理的判断が困難であることを利用し、(教団側が)大きな不利益を与えるものだった」と述べ、「念書は公序良俗に反し無効である」との判断を示しました。

旧統一教会の献金を巡る念書の有効性について、最高裁が判断を示したのは初めてです。

また、女性が1億円を超える献金を行っていたことについて「異例と評価でき、生活の維持に無視できない影響を及ぼすものだった」と述べました。

一方、信者による勧誘行為の違法性などについては、教団側が勝訴した高裁の判決を取り消し、裁判をやり直すよう命じました。

判決後に会見した女性の娘は、「この判決が多くの被害者救済のために役立つとうれしい」と話しました。

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