奈良県王寺町の河川敷で去年、自作した空気銃で猫を撃ってけがをさせた罪に問われた男に有罪判決が言い渡されました。このような動物虐待の立件は、年々増えています。

【記者リポート】「あちらの橋の下で猫の足に金属片のようなものが刺さっているのが見つかったということです」

49歳の男は去年12月、王寺町の大和川の河川敷で、自作した空気銃で猫の足を撃ってけがをさせた罪などに問われていました。


11日の判決で奈良地方裁判所葛城支部は「社会に及ぼす影響が大きく、身勝手な理由で犯行に及び、非難は免れない」と指摘した一方、「罪を認めている」として懲役1年6カ月執行猶予3年を言い渡しました。

警察庁はこうした動物虐待の検挙が去年1年間で過去最多の181件に上ったと発表。
しかし動物の虐待防止に取り組む「どうぶつ弁護団」は、これまで立件はなかなか進まなかったと話します。

【どうぶつ弁護団・岸本悟弁護士】「被害にあっている動物はしゃべらない。こいつが犯人やと思っていても、話してくれない。そこがなかなか難しいところ」

こうした中で今回は、弁護団と連携している保護団体が、警察への通報を担当し、犯人逮捕へとつなげました。

【ねこから目線。小池英梨子代表】「刺さっているものを抜いてしまうと、けががひどくなる可能性がありますし、証拠としての価値が非常に下がってしまうので、証拠を採取することはうち=捕獲の会社と動物病院に任せていただきたいと(発見者に伝えた)」

弁護団が動物虐待の防止に力を入れるのは、過去に加害の対象が動物から人へと移っていった、残忍な事件があったからです。


【どうぶつ弁護団 岸本弁護士】「目の前にいる弱いものを何かするということが、だんだんエスカレートしていって、最終的には重大事件が起こってしまう、その手前で止めたいという思い」


動物にも人にもこれ以上犠牲が出ないように。被害を減らす取り組みが続きます。

番組コメンテーターの菊地幸夫弁護士は「数年前まで動物愛護法では懲役刑の上限が2年だった。それが2019年の法改正で5年に引き上げられるなど厳罰化が進んでいる。ペットは私たち社会の中で根付き”伴侶動物”とも言われる中で、ペットの置かれている価値を見て厳罰化されたのだと思う。今回の判決もその厳罰化の影響を受けている。動物虐待はより重大な犯罪の前兆現象でもあるので、あらためて私たちは命というものを大切にしていかないといけない」と語りました

(関西テレビ「newsランナー」4月11日放送)

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