【ロサンゼルス=共同】米西部ワシントン州シアトルの公園で、広島で被爆して12歳で亡くなった佐々木禎子さんをモデルにした銅像がなくなっているのが見つかり、市が警察に窃盗などの被害を届け出た。足首から上がなくなっており、専門家らは高騰している銅を狙って何者かが切断したとみている。米主要メディアが14日報じた。

なくなったのは1990年にシアトルの「平和公園」に設置された「サダコと千羽鶴」。高さ約150センチで、禎子さんが折り鶴を掲げた姿を表現している。12日に盗難が判明したという。

禎子さんは2歳で原爆に遭い、白血病を発症。回復を願って病床で千羽以上の鶴を折り、55年に死去した。広島市の平和記念公園に建てられた「原爆の子の像」のモデルで、原爆犠牲者の象徴として国内外で知られる。

シアトルの「サダコ像」にも毎年、多くの人が訪れて折り鶴をささげているという。近くの施設の担当者は「打ちひしがれている。犯人は過ちに気付いてほしい」と語り、返還を願った。事件は周囲の金属スクラップ業者に周知されたという。

サダコ像は2003年には右腕が切断され、世界各地からの募金で翌年に復元された。

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