全日本空輸(ANA)と豊田自動織機は16日、航空貨物などを運ぶトラクターのレベル4の自動運転(特定条件下における完全無人運転)の試験運用を羽田空港で公開した。運転手なしで空港の制限区域内を走行するのは国内初。両社は2025年中の実用化を目指す。
トラクターは最大けん引重量13トン、最高速度は空港制限速度の15キロ。貨物を積む台車は最大6台までけん引できる。羽田空港第2ターミナルの駐機場から、貨物を仕分けする建物まで約2キロを実際に貨物を乗せて走行した。
自らの位置を推定したり、障害物を検知したりするセンサーを複数備える。行き先指示や現場スタッフの作業などの情報を一元化する車両運行管理システムも開発。複数台の導入を想定している。
両社は19年2月から、交通量の少ない佐賀空港や中部空港で運転席に人が乗った状態で走行するレベル3の実証実験を開始。国内最大規模で日本一複雑とされる羽田空港での技術検証などをクリアし、今年度からレベル4の試験運用を始めた。
ANAによると、羽田空港では現在、150~200台のトーイングトラクターを使用しているが、人手不足などによる運転手の長時間労働が課題となっている。担当者は「今後の空港業務の持続的な発展に向け、(地上での)対応力強化を進めたい」と話した。【佐久間一輝】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。