旧優生保護法を巡る国家賠償請求訴訟の原告らは17日、岸田文雄首相との面会後に記者会見を開いた。弁護団の新里宏二共同代表は「謝罪があり、やっとここまで来たという思い」と述べた。
原告の野村花子さん(仮名)は「首相とお会いできてよかった。言いたいことを言うことができた」と安堵した様子で振り返った。北三郎さん(同)は「(手術を受けた)苦しみは忘れることはできない」と複雑な思いを口にした。
官邸での面会は原告や弁護団、支援者らが出席。首相から補償方針の説明を受けたほか、当事者は手術時の体験などを語ったという。
原告側は面会時、早期の補償法制定や再発防止に向けた検証を求める要望書を提出した。原告の一人は首相に対し「最高裁でやっと希望の光が見えたが、人生は返ってこない。被害者に寄り添い、心ある解決をしてほしい」と訴えた。
日本弁護士連合会と全国各地の弁護士会は16日、最高裁判決を受けて被害に関する電話相談会を実施した。日弁連のまとめでは174件の相談が寄せられた。
弁護団の関哉直人弁護士によると「手術を受けたかもしれないが、記憶や記録がない」「中絶手術を受けただけでも補償を受けられるか」といった問い合わせがあった。
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