実に9年ぶりの懇談となりました。伊藤環境相は17日、新たな救済策を求める新潟水俣病の被害者団体との懇談を行い、8月中に実務者協議を始める方針を示しました。

17日から2日間の日程で新潟水俣病の被害者団体と懇談するため新潟市を訪れている伊藤環境相。

新潟水俣病の被害者と環境大臣の懇談は9年ぶりで、初日となった17日は阿賀野患者会など3つの団体から21人が出席しました。

【伊藤環境相】
「本日は十分時間を確保して皆様との懇談の場を設け、様々なお話をお伺いして丁寧に意見交換をしたいと考えている」

1956年に熊本県で公式確認された水俣病。

第2の水俣病といわれた新潟水俣病の公式確認から今年で59年を迎える中、被害者団体が求めるのは全被害者の救済と早期解決です。

【新潟水俣病弁護団 味岡申宰事務局長】
「亡くなってから謝罪を受けて救済されてもあまり意味がありません。大臣としてどれくらいをめどに被害者救済策をとりまとめたいと考えているのでしょうか?」

被害者の救済を目指した特措法の申請はわずか2年で打ち切られた上、現在の公健法では全ての被害者を救済できないと訴える被害者団体。

裁判の長期化により被害者の高齢化も進んでいているとして、早期解決に向けた新たな救済策を示すよう大臣に求めました。

【水俣病被害者】
「147人の原告の平均年齢は75歳です。すでに31人の原告が亡くなっています。生きているうちの解決は切実なる願いです」

【水俣病被害者は】
「私も原告の1人だが、いち早い和解の方がいい。裁判の結果なんか待っていられないあと何年かかるんですか」

長年にわたり身体の不調や差別などに苦しんできた被害者から、一刻も早い解決を求められた伊藤大臣は・・・

【伊藤環境相】
「今後実務レベルで新潟水俣病関係団体の皆様と新潟水俣病に係る様々な課題についてお話を伺い、丁寧に意見交換を行うことで水俣病対策を前進させていきたいと考えている」

被害者救済に向けた実務者協議を来月中に始める方針を示しました。

熊本の被害者との懇談でのマイクを遮断した問題を受け、終了予定時刻を過ぎてもなお被害者団体との懇談を続けた伊藤大臣。

【伊藤環境相】
しっかりと具体的な前進策をお示しすると。また、作るのも一方的に作るというよりはみなさまとの話し合いの中でそれを練り上げていくということによって信頼関係が醸成されると信じている」

【新潟水俣病訴訟原告団団長 皆川榮一さん】
「お互いに腹の探り合いをするんじゃなくて、本当に腹を割ってやはり解決しようという、そういう場にしてもらいたい」

伊藤大臣は18日も新潟水俣病患者会とも懇談する予定です。

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