旧優生保護法を巡る国家賠償請求訴訟の原告と弁護団は17日、岸田文雄首相の謝罪を受け、国会内で記者会見を開いた。被害救済を待ちわびてきた原告側からは「再出発の日だ」と歓迎する声が上がった。
札幌地裁に提訴し、最高裁の決定を受けて勝訴判決が確定した原告の小島喜久夫さん(83)は記者会見で「本当にうれしかった」と振り返った。その一方で、「謝罪をもらっても一生消えない問題だ」とも語った。同じく原告の鈴木由美さん(68)は「これは第一歩。差別はまだ続いている。障害者も健常者も、当たり前にともに暮らせる社会にしてほしい」と訴えた。
全国弁護団共同代表の新里宏二弁護士は「求めてきたものが一つの成果として出た」と首相の姿勢を評価しつつ、「政治の判断が遅れる中で、被害者が亡くなっていった。本当に長かった」と声を震わせた。首相が除斥期間について国の主張の取り下げを表明したことについては「当然だ」と語り、こども家庭庁との間で基本合意の締結を早急に進め、全ての訴訟の解決を目指す考えを示した。【塩田彩、神足俊輔】
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